2stと4stっていったい何が違うんだろう…?
特に近年は2stの新車が珍しく、ほぼ全てのバイクが4st化されたために…2stに乗ったことが無いって方も増えてきています。
2スト、4ストとか2サイクル、4サイクルなんて言われ方もしますが、果たして何がどう違うのでしょうか?
わかりやすく解説するとともに、それぞれのメリット・デメリットや特徴も紹介します。
また一部車種には…名称は同じ物の途中で2stから4stに切り替わったモデル…なんてのもありますね。
エンジンオイルを代表に、メンテナンスも変わってきますので…簡単な見分け方も紹介していきます!
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2stと4stの違いを簡単に解説!
2stと4stの違いですが、一言で言うならばエンジンの動作周期の違いです。
まず語源と言いますか…2stも4stも、stというのはstroke(ストローク)です。
正確に言うとTwo-stroke cycle engineとなり、2ストロークサイクルエンジン。
4stは4ストロークサイクルエンジンですね。
なぜわざわざこんな細かい名称の話をしたかと言いますと、実に名前通りだからです。
2回の工程で1サイクルの形式を2stと言い、4回の工程で1サイクルの形式を4stと言います。
エンジンの工程は「吸気」「圧縮」「爆発」「排気」という4つがあります。
4stはそれぞれを独立して行い(なので4回)、それで1サイクルに。
2stの場合は「排気」「吸気」を同時に行い、「圧縮」「爆発」を同時に行い(なので2回)、それで1サイクルになっています。
言葉だけだとわかりにくいので、それぞれの図を紹介します。
まず、こちらが2stですね。
②ピストンが上がる際に、「圧縮」して「爆発」する。
出典:Wikipedia
そしてこちらが4stです。
②ピストンが上がることで「圧縮」する。
③「爆発」することでピストンを押し下げる。
④再びピストンが上がる際に、図の左上の排気バルブを開き「排気」する。
出典:Wikipedia
つまり2stはピストンが1往復(クランクシャフト1回転)で1回の燃焼を行い、4stはピストンが2往復(クランクシャフト2回転)で1回の燃焼を行っているのが最大の違いです。
これにより(話はそう単純では無いものの…)、2stは4stの倍の数爆発していることでパワーが出るものの…燃費が悪いという特徴を持ちます。
それぞれの特徴やメリット・デメリットをもう少し細かく見ていきましょう。
2stのメリット・デメリット
まずは2stのメリットです。
・安価
・整備が簡単
・パワーがある
・レスポンスが良い
と言ったところ。
逆にデメリットはこんな感じです。
・排気ガス中の有害物質が多い
・焼き付きやすい
少し詳しく紹介すると、2stエンジンはカムやバルブと言われる部品が不要なんです。
そのため構造が単純になり、4stに比べて軽量かつ安価に製造することが可能なんですね。
構造が単純ということで、整備性も4stよりも優れています。
そして先ほど紹介したように4stの倍爆発していることでパワーが出しやすいんです。
またバルブがないことでアクセルに対するレスポンスの良さも特徴。
軽量でハイパワー、更には整備が簡単ということで…レース用のエンジンに最適!
実際問題、古くから2stはオンオフ問わずに競技車両のエンジンの定番でした。
しかしレーサーと言えど…環境問題もあり4st化していき今に至る…って感じですね。
その環境問題ですが、バルブを持たないがためにガス交換が不得手というのが原因です。
吸気した新鮮な空気と、燃焼したあとの捨てたい排気が混ざりやすく…更には新鮮な空気も(多少)排気と一緒に捨ててしまうという特徴があるんですね…。
他にも排気効率が悪かったり、完全燃焼が難しい…なんてデメリットもあり、これが燃費の悪さと排ガスの汚さの原因となっています。
またエンジンオイルをガソリンと共に燃やしているため、これも排ガスの汚さの原因の1つ。
更にはガソリンと共にエンジンオイルを供給しているので、アクセルを閉じた状態が長くなると(下り坂とか)潤滑不良を起こし焼き付きを起こす原因にも。
もちろん色々な対策が取られており、市販車はそう簡単には焼き付かないですが…4stよりも焼き付きを起こしやすいというのは事実です。
4stのメリット・デメリット
続いて4stのメリットはこんな感じです。
・排気ガスがきれい
・低回転の安定性が高い
・排気音が小さい
対してデメリットはこんな感じです。
・重量が重い
・構造が複雑
・高価
2stと反対の特性と考えれば概ね間違いでは無いですね。
4stは構造上、燃焼効率が非常に良いのが特徴です。
そのため排気ガスに含まれる有害物質が少なくなり、燃焼効率が良いので熱効率も良く燃費が良くなりますね。
また、三元触媒を用いることで有害物質の排出を抑えやすいことも排ガスのきれいさの要因と言えるでしょう。
燃焼効率の良さが要因かと思いますが、低回転(アイドリング状態とか)でも回転が安定しているのも特徴です。
2stだと不整脈のような状態になりやすいんです…。
また音質の違いなのか…排気音が小さいという特徴もあります。
ただ…2stの方が大きい音になりがちなのですが、周波数の関係かあまり遠くまで響かないんです。
4stの方が遠くまで響くので、4stの方がうるさいと感じるケースも。
サーキットやモトクロス場では4stが主流になり、音量は下がったハズなのに…騒音問題に悩まされているという現状があります。
そして2stには無かったバルブやカムなどが必要なために、構造が複雑になり…大きく重く高価なエンジンとなってしまいます。
構造が複雑ということで、整備性も悪くなってしまいますね。
2stと4stの見分け方は?
2stと4stの見分け方ですが、いくつかの方法がありますので組み合わせて確認してみて下さい。
・シリンダーヘッドの形状が違う
・マフラーの出口にオイルが付着しているか
・エンジンオイルのレベルゲージがあるか
まずは排気管(マフラー)の違いです。
2stの場合はチャンバーと呼ばれる膨張室が設けられており、エキパイからサイレンサーまでの間で膨らんだ部分が見られます。
下記画像はモトクロッサーですが、上が2stのYZ250で下が4stのYZ250Fです。
出典:ヤマハ発動機株式会社
出典:ヤマハ発動機株式会社
2stのYZ250では、黒いエキパイの途中が大きく膨らんでいるのがわかるかと思います。
ここがチャンバーですね。
対して4stのYZ250Fでは、銀色のエキパイはほぼ同じ太さのままサイレンサーに繋がっています。
そして2stにはバルブ類がないのでシリンダーヘッドが非常に小さいです。
上記YZ250ではシュラウドに隠れてよく見えないですし…知識が無いと大きいのか小さいのかの判断は難しい部分ですが…。
また2stの排気ポートはシリンダーヘッドの下に、4stの排気ポートはシリンダーヘッドに付いていますので…エキパイの根元がどこかというので判断することも可能ではあります。
しかし上記の方法は比較的どちらも難しいですし、スクーターとかだとカウルの中でよく見えないなんてことも…。
新車じゃなければマフラーの出口を見るのが手っ取り早かったりしますよ。
マフラーの出口に黒いどろっとしたオイルが付いていたら2stです。
4stの場合は黒くてもススみたいな状態になっていますね。
他にはエンジンオイルの入口を探すのも簡単な見分け方。
2stのエンジンオイルは継ぎ足しであり、交換はしないのでオイル量を測定するためのレベルゲージがありません。
そして白い半透明の樹脂製のオイルタンクとなっていることが多いです。
4stの場合はエンジンオイルは交換ですので、レベルゲージが付いています。
ミッションオイルも兼ねているので、大抵エンジンの右側に直接付いていますね。
外からパッと見分ける必要がある時は、チャンバーが付いているかどうかを。
現物を確認出来る場合は、エンジンオイルの入口を探すのが簡単かと思いますよ。
まとめ
ということで今回の記事のまとめです。
2stと4stはエンジンの動作周期が違う
それぞれの特徴やメリット・デメリットは本文内で
見分け方はチャンバーの有無とエンジンオイルの入口で
今は2stがかなり減ってしまいましたが、同じ排気量なら1.5倍はパワフルなのが魅力です。
4stは燃費の良さと扱いやすさが魅力ですね。
音は好みの問題だと思いますが、音も全然違うので面白いところです。
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